今朝の日経より
1 非上場株の相続をめぐり、国税当局が「伝家の宝刀」と呼ばれる特別な規定を使って課税した事案の税務訴訟で8月国税側が敗訴
2 8/28東京高裁
① 非上場企業の株式の評価額について争われた
③ 国税当局が通達で定めている通常の算定ルールにのっとって1株8,186円で評価
④ 国税当局は評価額が低すぎると判断し、総則6項を適用
⑤ 専門会社に価格算定を依頼
→1株80,373円
⑥ 相続人側が求められた追加の相続税額は約4億円
⑦ 相続人側はこの処分が違法だとして2021年に提訴
3 総則6項
通常の算定ルールでの評価が「著しく不適当」と認められる場合に、国税当局が評価をし直しすることができると定めている特別規定
4 株価
① 代表者が生前に同社株を他社に売却しようとしてみずほ銀行をアドバイザーとして価格を算定
→1株105,068円
② 14年6月 正式な契約が成立する前に男性は急逝。
③ ②の1ヶ月後に妻が交渉を引き継ぎ予定価格と同額で売却
④ 15年2月 相続税の申告
通常の通達ルールに基づいて株式を評価
評価額は実際の売却の12分の1以下
→1株8,186円
5 総則6項の適用についての判決
① 「マンション節税」に関する裁判での最高裁判決(2022年)
・総則6項の適用には合理的な理由が必要
・通達評価額と価格かいりがあるだけでは適用できない
・租税負担の公平に反する事情がある場合は適用可
② 非上場株の評価を巡る裁判の一審、東京地裁判決(2024年)
・税負担の回避を目的で行ったとは認められず、総則6項の適用は違法
③ 二審の東京高裁判決(2024年)
・評価額を下げようとする行為はなく、総則6項の適用は違法
6 マンションの評価ルールと同様に、今回の判決を契機として国税当局が非上場株式に関する通達を見直す可能性がある
0 価格の開きだけをみるとさすがに・・・と思いますが、過度な節税の意図もなくルールどおりにして追加4億もつらいところ。
納税者も税理士事務所も国税も納得できるような評価ルールがあればよいですのに。
by 冨田謙二税理士事務所 姫路 税理士 tomitax とみたっくす コロナに負けるな covid-19 節税 会社設立 相続 確定申告