今朝の日経より
1 会社員が独立したり、起業したり副業をしたりするケースが増えている。
2 取引の記帳や帳簿書類の保存に不備があると、思わぬ税負担が発生するおそれがあり注意が必要
3 事業所得と雑所得の区分のイメージ
収入が300万以下、300万超ともに概ね事業所得
(注)
営利性がなかったり、金額がわずかだったりする場合は個別に判断
② 貴重せず、帳簿書類も保存していない
収入が300万円以下→すべて雑所得
収入が300万円超→概ね雑所得
4 事業所得がある人に求められる帳簿書類と保存期間
① 青色申告
帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳など)・・・7年
書類(損益計算書、貸借対照表など)・・・7年
書類(領収書、預金通帳、借用証など)・・・5年または7年
→前々年の所得が300万円以下は5年
書類(請求書、見積書、契約書、納品書など)・・・5年
② 白色申告
帳簿(収入や必要経費などを記載した帳簿など)・・・7年
書類(決算関係書類(棚卸表など))・・・5年
書類(請求書、納品書、領収書など)・・・5年
5 個人事業者は、必要経費が収入を上回り損失が発生した場合はその損失は給与所得など他の所得と損益通算して節税できる。
6 注意
税務当局が、所得税や税額の計算の前提である記帳や帳簿書類の保存についてチェックを一段と強化
7 国税庁が2022年10月から適用した「改正通達」
① 改正通達は税務当局の法解釈だが、事実上納税者にも適用される
② 事業所得と雑所得を区分する基準が適用された
③ 事業所得は損失が出た場合に他の所得と相殺できるが雑所得は相殺できない
8 厳しくなった点が2つ
① 事業所得について収入に関する記帳や帳簿書類の保存に不備があるとき、申告が過小な場合のペナルティとして加算される過小申告加算税、無申告の場合の無申告加算税をさらに重く
② 申告に仮装・隠ぺいがある場合や無申告の場合、帳簿や取引先の調査によっても必要経費の存在の証明がないときは所得計算の際、収入から必要経費を差し引くことを認めない。
無申告の場合と会社員の副業を含む雑所得も対象になる。
0 上記8②がでかいですよね。いままで無申告の方に税務調査があった場合、調査官と納税者の方が何度も面談し、売上と経費を調べてあるべき利益(ちゃんと申告していたら出た利益)を計算するのですが、無申告の方が資料を保存しているわけもなく、実質はお情けで経費を認めてもらっていることが現状かと。
この経費がみとめられないと、本来の利益よりもかなり多額の利益となり、それにともなって納税額も大きくなり、ペナルティも大きくなります。
下手すると本来の利益以上の納税額が課されることもあり得てしまいます。
無申告の方はこの情報を知る由もないと思いますので、お知り合いの方で無申告っぽい人がいたら気をつけるように伝えてあげてください(^^)
by 冨田謙二税理士事務所 姫路 税理士 tomitax とみたっくす コロナに負けるな covid-19 節税 会社設立 相続 確定申告